第5章 Aiba.
涙でぐちゃぐちゃの顔、
俺がこういう風にしちゃったんだ
「...知ってるよ、相葉くんがモテる事ぐらい
そんなの知ってる。
だからね、さっきのモデルさんだって
イヤでも振り払えないんだって知ってる
...それでも、ヤなんだもん。
私だけの相葉くんじゃなくなる気がしてっ...」
会いたくて、
早く収録終わらせて。
モデルさんが食事に誘ってきたけど
気乗りしなくて、断った。
今日は君に会いたかった。
「ごめん、愛里
当たり前なんかなかった。
俺の周りには欲しい物が簡単に
手に入れられて、普通だと思って。
俺、気付けなかった。
ずっと傍には愛里が居なくちゃ、
笑えないよ、元気になれないよ...
だから、
もう別れようなんて言わないで....」
辛い仕事も、それなりに頑張れて。
馬鹿だアホだ、どう仕様もないやつだって。
そう言われても我慢しか出来なくて。
俺って所詮はちっぽけな男だから。
必死なのは俺もなんだ、
失いたくなくて必死にもがいたんだ。
「相葉くんっ....、ごめんなさいっ...」
「....俺も悪かったよ」
君がいれば何も要らないなんて、
そんなカッコイイこと言えないけれど。
もっと、もっと頑張るから、俺。
だからさ、
愛里のこと、これからも
好きでいていいかな?
モテる男も楽じゃないんだからね。