第4章 Matsumoto.
「うぅ...」
「....泣くなよ、な?」
「だって...」
隣を歩くのがこんなにも幸せと思えて
当たり前と思える日が来るなんて。
「仕事、行くだけだろ?」
玄関、俺は帽子をかぶりマスクをして
仕事へ出掛けようとしていた
同棲を初めて半年。
愛里は不安症。
仕事行く時はもちろん、
友人と遊びに行く時だって
泣きながら引き止める。
嬉しいけど、困る。
待ち合わせ時間などに遅れては、
相手に悪いし。
「松本くん...、早く帰って来てね....?」
「分かってるって!電話する、」
でも、こんな愛里も愛しいと思う俺は
重症かもしれない。