第4章 Matsumoto.
「....ごめんな、」
「平気だよ、気にしすぎだって!」
鈍感だって、人は言うだろう。
実際、彼女の気持ちに気付けなかった。
俯き笑う彼女の目を、
悲しそうな目に変えたのは。
紛れもなくこの俺なんだから。
「ちゃんと目を見て、愛里」
「...っ....」
変わろうとしたことも、
「...っや....だっ...」
全て全て、知ってるんだ。
女の子と話してるだけで妬くとこも、
仲良く歩いて笑ってるだけでも、
君が嫌な気持ちを持ってしまうこと
今の俺には分かるから。
「....へへっ...だめだ....
涙がっ...止まんなっ....」
笑ってくれるのなら、
なんだってするよと言った俺。
ツンデレ?
違うよな、そんなんじゃない。
そんなんじゃ、ない。