第4章 Matsumoto.
「無自覚なのもいいけど、
こういうの、ヒヤヒヤすっから
断ってくれよな」
「断ってるけど無理やり連れてかれるの」
この2人で行けばいいのに、
なんでかいつも私をまぜてくる。
すると潤くんはギュッと強く抱きしめる。
潤くんの匂いがして、少し落ち着く。
「もう、ダメ」
「えっ」
「結婚して専業主婦になってよ
そしたらこういう輩も絡まないでしょ」
「もっとロマンチックにプロポーズしてよ....」
居酒屋でプロポーズなんて、
なんだか雰囲気が出ないっていうか。
女の子ってそういうのには
憧れちゃうもんだから。
「ふふ、うん。
結婚はまだ先ね、
好きだよ、愛里」
いつもは威圧的なのに、
酔いのせいか優しい潤くん。
結婚はまだ先だというけれど。
私は今すぐでもいいのにな、なんて
そう思ったのはここだけの話ってことで。