第3章 Sakurai.
「ふん~♪ふふん~♪♪」
鼻歌交じりでスキップする私、
愛里はただいま楽屋へ向かっている
特別に許可を頂いたため、
いま最高潮にご機嫌!
「あれ、愛里じゃん!」
振り向くと、そこには
台本を片手に歩く松本さんが居た。
どうやら収録終わりついでに
いま撮ってるドラマの台本を読んでるようだ
しかしながら台本片手に、なんて
よく絵になるもんだよねぇ...。
「なにしてんの?」
「楽屋訪問だよーっ!!」
ふへへ、と笑うと松本さんは
「笑い方、キッモwww
一緒に行こうぜ」
キモいとはなんだ、キモいとは!!!
普通は可愛いとか、そういう言葉を
投げ掛けるもんなんだから!
「松本さんのがよっぽど気持ち悪い!
その髪型、似合ってないしぃ~!!!」
とぐしゃぐしゃに乱してやる。
ふん、怒ったって謝らないんだから!!!
覚悟していると、
意外と松本さんは怒らなかった。
「てんめぇ、せっかくセットしたのに!」
ニヤリと笑いながら私も
ぐしゃぐしゃにされた