第2章 始まった関係
「…まだ余計な事を考えているのか?」
「…え…?」
私の指に舌を這わせながらそう囁くのは部長。
その仕草がひどく厭らしくて、私の胸を更に掻き乱していく。
「…いい加減観念するんだな。今夜は俺がお前を"オンナ"にしてやる」
「っ…」
「という訳だ…橋本、俺と場所を交替しろ」
「へ?」
それまで私の胸を愛撫していた橋本くんが間の抜けた声を出す。
そして部長に無理矢理場所を交替させられた。
「ちょ、ちょっと部長!」
「最初に邪魔をしてきたのはお前だぞ?俺の命令が聞けないなら、今すぐこの部屋から出ていってもらうが?」
「ぐっ…」
強引な部長に言い返す事も出来ず、渋々といった様子で今度は橋本くんが私の背後に回る。
「先輩の胸、もっと触ってたかったのに…」
「……、」
「…次は俺の番だ」
橋本くんが舐めていた方とは逆の胸を愛撫する部長。
焦らすように先端を避け、その周りを丹念に舐めていく。
当然物足りなさを感じてしまった私は、無意識に訴えるような視線を彼に向けた。
「…何か言いたそうな顔だな」
「っ…」
「…俺にどうしてほしいんだ?」
「……、」
一旦舐めるのを止めた部長が意地悪な事を言ってくる。
どうしてほしいかなんて絶対解ってるくせに…
「…速水はもっとおねだりの仕方を覚えた方がいい。お前のようなイイ女に強請られて興奮しない男なんていないんだからな」
「お、おねだり…ですか…?」
「そうだ…その口で俺にどうしてほしいのかハッキリ言ってみろ」
「……、」
ごくりと唾を飲む。
自分から強請るなんて、ずっとはしたない行為だと思っていた。
だから私は今までセックスに関しては受け身で、相手の言いなりになっていた事が殆どだ。
それで相手が満足するなら良いと思っていたから…
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