第24章 まだ見ぬ未来へ
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季節が巡って冬が来ていた
私は今日も差し入れ片手にいそいそと、お昼にアカデミーを訪れる
もう片方には大量の掃除道具を抱えながら、腕をぷるぷるとさせて…何とか火影室の扉を叩いた
カカシ『どうぞ〜』
カチャリと扉を開け中に入ると、山積みになった書類に埋もれ格闘している夫の姿に、思わず口元が緩む
花『お疲れ様です、カカシさん』
私を視界に入れると、途端に慌てて駆け寄って来た彼に荷物を奪われる
花『…すいません…ありがとうございます』
カカシ『ちょ…っ…こんなの持って!ダメでしょ、全く…
…それに…何?これ、全部掃除道具?
…気合入り過ぎじゃない…?』
花『はい、気合を入れて参りましたので』
今日は、午後の勤務がお休みだった
だから兼ねてから気になっていたこの部屋の現状を何とか打開すべく、早速腕捲りをする
花『休憩出来そうですか?…お邪魔じゃなければ早速、始めさせて頂きますが…』
カカシ『…お…俺も手伝うよ
重い書類を運ぶには男手が必要でしょ?』
花『カカシさんは隣に行って休憩なさってて下さい。ここは埃が立ちますので
それにナルト君が手伝ってくれるそうです
だから影分身をして貰えればきっと一瞬で終わりますから』
「はい、今日のお昼です」と言って包みを渡すと、カカシさんは心配そうに嘆息した
カカシ『でも…君…無理なんかしたら…
…身重…なんだから…』
花『重いものは持ちません
それに、少しくらい動いた方が良いんです
…さ、ご心配なさらず休憩なさって下さい』
そう、私は晴れて…今お腹に生命を宿している…
心から愛する彼との宝物を…
カカシ『じゃあ、ナルトが来るまでは君も休憩!
…たく…っ…掃除なんて他の奴に任せちゃっていいのに…ほら、おいで』
有無をも言わさず横抱きにされて、隣室に連れて行かれてしまう
火影室には置いていない休憩用のフカフカのソファの上に壊れ物を扱うように、そっと下ろされた
花『…もう安定期ですし…過保護過ぎです…』
カカシ『いいから、文句言わないの』