第3章 ☆ 誠凛高校バスケ部‼
時雨「そうよ!火神くん!落ち着いて。一年全員‼最後まで諦めないで!黒子くん、そろそろいっちゃって!」
黒子「はい。すいません。適当にパスください。」
みんな、半信半疑…
でも、今にわかる!
黒子くんの才能が!
パスッ
「……え…あっ」
バスッ
「…え……な.入っ…ええ⁈今どーやってパス通った⁉」
「分かんねぇ見逃した‼」
どんどん通るパス。
そして、縮まっていく点差。
「どーなってんだ、一体‼?」
「気がつくとパス通って決まってる⁉」
そう。
黒子くんは、生来の存在感のなさを利用してパスの中継役になっている。
しかも、ボールに触っている時間が極端に短いから阻止する事は難しい。
リコ「時雨ちゃん、もしかしてコレって…」
時雨「『ミスディレクション』手品などに使われる人の意識を誘導するテクニックです。『ミスディレクション』によって自分ではなく、ボールや他のプレーヤーなどに相手の意識を誘導します。」
リコ「つまり、黒子君は試合中『カゲが薄い』…」
時雨「正確に表現すると『自分以外を見る様にし向けている』んです。」
リコ「キセキの世代、幻の6人目…」
先輩、よそ見してちゃダメですよ♪
ガシャンッ
「うわあ‼信じらんねェ‼一点差⁈」
二人組んだ時のこの獰猛さは、キセキの世代でもないかぎり、止められない…‼
黒子くんのスティール‼
いけっ!
「勝っ…」
ガボンッ!
火神「……だから弱ぇ奴はムカつくんだよ、ちゃんと決めろタコ‼!」
ガコンッ
一年チームの勝ちぃ!
〜練習後〜
私と黒子くんは、二人でマジバーガーに向かった。
火神「な、なんでまたいんだよ…今度は篠原まで…」
黒子「ボク達が座ってる所にキミが来るんです。好きだからです。ここのバニラシェイク。」
時雨「私は、チョコシェイクが好き〜♡火神くん、一口飲む?」
火神「いらねぇ、つーかどっか違う席行けよ。」
黒子「いやです。」
火神「仲いいと思われんだろが…」
黒子「だって先座ってたのボクですもん。」
くだらなち言い争い…。
にげちゃおうかしら…。