第1章 その顔は、ただ俺を煽るだけ。
「──気持ちいい?」
くちゅくちゅとわざと音をさせると、「ゃっ……」とふるふる首を振る。
「ん?気持ちよくなかった?」
指を抜くと「ぇっ…」と戸惑いに揺れる瞳が俺を見る。
気持ちよさそうにしてたもんなー。
「な。言ってくんなきゃわかんねぇよ?」
「………。」
「ふぅん。じゃー買ってきたケーキでも食うか?」
そう言って服を直してやろうとすると、掴まれたシャツの裾。
「きもち…ぃー…です……」
紅い顔して潤んだ瞳でんなこと言われると、めちゃくちゃにしたくなるのは仕方ねぇと思う。
──オレがいいって言うまで、我慢ね?
そう耳元で囁き、返事も待たずに両足を開いて一番感じる場所に舌を這わす。
「んっ……ゃ…ぁっ…」
我慢できずに漏れる声に耳を澄ませながら舌を動かし、より敏感な部分を指で捏ねる。
刺激を与え続ければ、目をギュッと瞑りながらいやいやと首を振るその姿は、オレの欲を掻き立てるものでしかなくて。
そろそろだろうと思い、手を止めて顔を上げると、涙で濡れた瞳が俺を捉えた。
その瞬間、ゾクっとする快感に襲われる。
いつもは泣かせたくねぇって思うのに。
普段と違う服装だからか。
はたまたクリスマスマジックってやつか。
潤んだ瞳にいつも以上に興奮しちまって。
…いまさら童貞でもねぇのに。
優しくしようと思ってたのに、余裕なんてもんはこれっぽっちもない。
そんなことを悟られないよう、いいこ、とあたかも余裕かのように頭を撫でながらオレ自身を挿入した。