第7章 独占という名の証〜相澤消太〜ホワイトデー編
それから時は巡って4月
雄英では新任教師の挨拶の集会が開かれた
数名の緊張した新任教師の中にはの姿もあった
上鳴が調子に乗って緊張気味のにブンブンと手を振ると、はにかんだようにが笑顔を返すもんだから嬉しそうに更に手を振り返していた
「いやぁ〜やっぱ可愛いなぁ、オアシスだわ」
「上鳴お前、先生が来るって分かってから騒ぎすぎ」
隣ではしゃぐ姿に切島が押さえつけるように頭を掴む
「だって、あんな優しい先生憧れるだろ〜」
の姿を見ながらウットリする上鳴にクラスメイトは諦めた顔をした
「こいつの惚れっぷりは手が付けられねーわ」とポツリと切島が零すと、それと同時にの紹介になった
「次は皆も知っての通り、教育実習に来てたから分かるかもしれないけど、彼女には英語を担当してもらおうと思うよ」
そう根津校長がマイクでいうとゆっくりとは根津校長の隣に立った
「じゃあ、お願いね、相澤先生」
そう言ってマイクを渡す校長の言葉にも一瞬ザワッとしたが、聞き間違いだろうと誰もが思ったのにはにこやかにザワつく言葉を口にした
「皆さん、お久しぶりです。また皆んなと勉強出来るのがとても嬉しいです。あっ、因みにから相澤になったので相澤先生って呼んでね」
最後は自分の顔の横に左手に光る指輪を見せてニッコリと笑えば
生徒は一斉に他の教師と並んでいた相澤の方へとガバッと視線がいく
その視線が痛かったのか、ふいっと顔を反らしながら同じように左手に光る指輪を見せた
「・・・・何か問題でもあるのか?」
ギロリとぶっきらぼうに呟けば
「マジかぁ〜〜っ!」の声が体育館に合唱するかのようにこだました
その様子を見ながらふと壇上にいると目が合うと恥ずかしそうに彼女は笑った
その顔を見ると、彼女を独占したいって思う気持ちも、こうやって独占欲を形にするっていうのも悪くないと思った
Fin