第5章 貴方に酔う〜相澤消太〜varenntainn編
「お前、これ、どれくらい味見した」
「え〜ほんのちょっとだよぉ じゃないと消太さんの分なくなっちゃうじゃないですかぁ」
ケラケラと笑いながら話す様子はちょっと味見しただけじゃこうはならないだろうってくらいに明るい
「そうか、ちょっとだけじゃあちゃんと美味いか分からなかっただろう、ほら 分けてやるからこっち来い」
「いいですよぉ、消太さんに作ったんだから」
イヤイヤと手を振りながら断るの顔をテーブル越しにガシっと掴み
「遠慮するな、美味いものは分けた方が美味いからな」
言いながらカップに残ったチョコを口に入れるとそのままの口へと流し込んだ
「・・・んんっ!?」
まさかの出来事には目を白黒させながら流し込まれたチョコを喉の奥で飲み込んだ
「・・・・っ・・・・はっ」
飲みきれなかったチョコが口許を伝うと消太はそれをペロッと舐めると「美味いだろう?」と妖しく笑った
一方のは突然キスされて熱いのか、口移しで飲まされたチョコの所為で熱いのかよく分からないくらいに頭がクラクラとした
その様子を面白そうな顔で見つめてくる消太の視線がいたたまれなくてばっと両手で顔を隠した
「・・・・消太さんはズルい」
「あ?何がだ?」
顔を隠しながらそう呟かれた言葉にその先の言葉を分かっている様な口振りで答える
「美味しいかわからないのでもう一回お願いします」
チラリと覆った両手の間からチラリと覗く瞳がたまらなく可愛い
「もう1回と言わず何度でも?」
再度コップの中のチョコに口を付けると顔を覆っていた手を退けて彼女の口唇に口付ける
こうやって何度も口付けていれば酒に酔ったのかに酔ったのかわからなくなりそうだ
このまま一緒に溶けていけたらいいのにとさえも思った
コップが空になるまで夢中になりそうだ