第5章 貴方に酔う〜相澤消太〜varenntainn編
「お、これ美味いなブランデーが効いてる」
「そうでしょそうでしょっ!ちゃんと消太さん仕様にしたんだから」
エプロン姿で得意顔満々で立っているのは消太の恋人のだ
元々は学校の後輩だった
2つ下で在学中はかわしてもかわしても向かってくるへこたれない女だった
俺はあの頃は色恋には全く興味がなく彼女の向けてくる好意をバッサリと切り捨てていた
それでもめげずに好き好き攻撃を打ってくる彼女に最初こそ鬱陶しいの何者でもなかったのだが
いつしか人って慣れるとそうは思わなくなり、寧ろその空気が心地良かった
学校を卒業して離れてしまっても構わずに向かってくるのだと過信していた
は俺が卒業するとその行動はパタリと止んだ
急に向かって来なくなるし連絡も一切無し。何故だか穴が空いた様な気分だった
アイツにとってはただの暇潰しだったのだろうか?本当はこれっぽっちも好きではなかったのではないか?
どんどん溢れ出てくる負の考えをかき消す様に俺は雄英高校で教師の仕事に没頭した
そんな時だった彼女、が教育実習生として来たのは
初めは何の冗談かと思った、パッタリと姿を現さなかった彼女が目の前にいる
この状況に頭が追いつかなかった
職員室で実習生として挨拶して、担当の先生と出て行こうとするの手を思わず掴んでいた
「おい、どういう事だ」
「・・・・・ビックリした?」
そう言いながら嬉しそうに笑う姿は昔と変わらない
その場は担当の先生と打ち合わせや話があるからとそれだけで終わったが、放課後俺はズルズルとを引きずる様に飲みに連れて行った