第3章 春日山城の友達
「でも…私……人質です…よ…?しかも…本来ならば、部屋の出入りも自由にできない身分ですし…」
鈴ちゃんに連れて来られるまま来たけど、本当はここにもいちゃいけないんじゃ?
「そう…ですね…」
と、鈴ちゃんが眉間に皺を寄せしばし思案する
……と、
「信玄様にお願い致しましょう!!」
突然、ぱっと目を輝かせて言った
「そうだわ!」
「信玄様なら謙信様に進言できますものね!」
「女子にお優しいですし!」
仕立て部屋が再び、一気が盛り上がる
信玄様に……
口移しとさっき抱きしめられた感覚が蘇り、私の胸が騒めいた。