第29章 過去へ
「晃殿とも約束したろ。男に二言はない。」
「でも…急にそんなこと言ったら、家臣の人たちも驚くんじゃないですか?」
信玄様の言葉は嬉しいけど…
私みたいな一般人…現代人?なんかが、本当に信玄様と結婚なんてできるのかな?
「なんだ?乃々は俺と添い遂げてくれるんじゃないのか?」
「わ、私だって…信玄様と…その…でも…姫じゃないし……」
すっかり自信を無くして、ボソボソ話す私に信玄様が可笑しそうに笑う
「変な心配するな。あいつらだって、君のこと気に入ってる。幸ですら、君が武田の姫のようだと言ってたぞ」
「え?」
幸村…そんなこと言ってたんだ