第27章 愛の言葉
「はいっ…叔父さんも…いい人、見つけてね」
私のために結婚しなかったんだろう
ずっとそのことが気がかりだった。
叔父さんにも、隣で笑ってくれる人と一緒に歩んでほしい、心からそう思った
「晃殿…心から感謝する。」
信玄様が叔父さんにお礼をすると、おもむろに風呂敷に包まれた物をテーブルに置いた
「これは…?」
「命まで助けて貰い、さらには大切な乃々を貰いうけるのに、俺は晃殿に恩返しが何もできない」
そう言いながらテーブルに置かれた風呂敷を広げる
風呂敷の中から出てきたのは、武田の家紋である武田菱がついた懐剣だった