第2章 春日山城の人質
「乃々様…?」
ちょうど女中さんが昼餉運んで来たところだった
「乃々様?どうかなされましたか?どこか具合いでも…?」
泣いている私を見て、心配そうに駆け寄る
「……ちが…っ……の…」
説明したいけど、溢れる涙を止めることができない
安土を思い出したら、その思いは留まることを知らず涙と共にどんどん溢れる
帰りたい……
みんなのところへ……
逃げたい!!
ここから!!逃げなきゃ!!!
そう思った瞬間
ドンッ!!!
女中さんを突き飛ばして部屋から飛び出した!!!
「の!!乃々様っ…!!!」
女中さんが叫ぶ声が後ろから聞こえる。
逃げ出して捕まれば殺されるかもしれない
一瞬、頭をよぎった
でも……
帰りたい!!!!!