第26章 もう一つの戦い
そのあと、叔父さんの診察を受けた信玄様は、何も問題ないとお墨付きを得た。
そして……
それから、一週間–––
信玄様は驚異の回復力で、叔父さんを呆れさせた。
今日も私は、信玄様の病室をお見舞いしていた。
「再来週には、退院できるそうですよ。おめでとうございます」
「ありがとう。これも、君と晃殿のおかげだ」
ベッドに並んで腰掛けた信玄様は、にっこりと微笑む。
もう、すっかりいつもの信玄様だ
「あと、もちろん佐助もだ。早く礼を言いたいが、今日、来るって言ってたよな?」
「はい。多分、もうこっちに向かってると思います。」
信玄様の病気が治ったことを電話で伝えたら、佐助くんはすごく喜んでいた。