第24章 束の間の休息
私を軽く引き寄せ、傷のある胸元に口づけた
「乃々、俺は命を奪う刀傷はたくさん見てきた。だが、命を救うためについたこの傷ほど、美しいものは見たことがない」
私の悩みなんてとるにたらないような物言いに、信玄様の愛情を感じる
だけどその反面、大人の男の余裕さも感じられて…
ちょっぴり悔しい気持ちにもなった
そりゃあ…私は彼氏いない歴24年だし、経験豊富な信玄様に勝てるわけないんだけど…
分かってはいても、あまりに女慣れしてて…複雑…
「信玄様…女慣れしすぎですっ…」
「それは、まぁ、君とは生きてる歳月も違うしなー。」
焼きもちを焼く私を信玄様は飄々とかわし、笑いながら畳にあぐらをかく。