第22章 裏切りと同盟
「っ、すぐに準備します。傷が重い方から看るので、重い方を連れて来てください」
「ああ。怪我のない者には手伝わせる。好きに使え」
「は、はい」
焦る気持ちを抑えながら、兵たちの手当てに奔走する。
銃で撃たれてる人が多いな…。そんなに激しい戦いがあったんだ
しばらくして……ようやく最後のひとりの手当てを終えて、私は息をつく。
辺りには、血の匂いが色濃く漂っていた。
「ご苦労だった。礼を言うぞ」
「いいえ…。いったい、何が起こったんですか?」
「支城の近くで信玄との戦いがあった」