第1章 甲斐の虎
「そんなことがあったんだ…」
武田信玄は信長様を恨んでるってことか…
あの城下で会った軟派な信玄と、獣のような目をして戦場にいた信玄…
あの2人が同一人物だなんて…なんだか信じられない
それから話しは武田信玄の話しからそれ、私は家康から言われた書物を取りに書庫へ向かった
書庫へ行くと、光秀さんと三成君が居た
何やら2人で話している
どうやら謀反を企てた首謀者について話してるようだった
お邪魔かな?
と思いつつ声をかける
「光秀さん。三成君」
「乃々様。何か探し物ですか?」
「どうした?仔猫?迷子か?」
「それ、やめてください!」
三成君が優しく声をかけてくれるのと対照的に、光秀さんにまで信長様とのことを揶揄われて、頰を膨らませて抗議する。
「まぁまぁ。乃々様。何をお探しですか?私がお手伝いしましょう?」
三成君に諭され光秀さんに舌を出す。
特に興味があったわけではないけど、謀反の首謀者のことが気になって三成君に聞いてみた
「あの謀反の首謀者はやはり武田信玄なんですか?」