第19章 真実
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出立が五日後に決まると
みんな戦の準備のため各自の御殿に帰り
私も部屋に戻った
何を準備した良いか考えながら、箪笥の引き出しを開ける
五日後には…私はまたあの戦乱の中にいるんだ…
目に迫った戦のことを考えると、あの時救えなかった兵の姿が脳裏に浮かぶ…
冷や汗が背筋に浮かび、呼吸が乱れる
怖い……
だけど…それとも同時に思い出されたのは、信玄様の口づけだった
あの時…キスしてくれた…
唇に手をやり、その感触を確かめる
大きく息を吸い、呼吸を整えると不思議と落ち着く
離れていても、私は貴方に助けられてる…