第19章 真実
そんな、平和な時間は長くは続かず……
数日後の夜–––安土城の広間では軍議が開かれていた。
信長様に同席するように言われた私も、末席に腰を下ろす。
いよいよ大きな戦が近づいてるせいか、広間の空気がピリピリしてる
みんな殺気だってるな…
「武田・上杉軍の話の前に、ご報告があります」
三成くんが立ち上がり、みんなを見渡す
いつもにこにこしてる三成くんもさすがに武将の顔になっていて緊張感が漂う
「本能寺の信長様襲撃の犯人がわかりました」
「名は」
信長様の鋭い視線が三成くんに注がれる
「本願寺、顕如です」
本願寺…?っていうことは、お坊さん?
「確かに顕如なら、信長様を恨む動機がありますね」
静かに家康が呟く
「恨む動機って?」
みんな、顕如という人を知ってるみたいだけど…
「かつて–––信玄を始めとした全国の武将や寺と手を組み、俺を攻めた男だ」
目を細めながら、信長様が鉄扇を音を立てながら畳む
信玄様と…?
その名前にドキリと心臓が鳴った