第19章 真実
「ありがとうございます、信長様。私、忘れないことにします」
そっか…無理して忘れることないんだ
私は信長様に、今の私にできる精一杯の笑顔を向ける。
「……」
すると、信長様は虚をつかれたように、わずかに目をみはった。
「やはり、貴様はつらい記憶とやらを経て、変わったようだ」
「信長様……?」
「このような笑い方、以前の貴様ならばしなかった」
信長様は初めて見るかのように、私の顔をしげしげと眺める。
「…へ?」
なんか変な笑い方したかな?
気持ち悪かった??
「いっそう貴様に興を引かれるな。
だが、ひとつだけ面白くないことがある。貴様の変化をもたらしたのが、この俺ではないという事実だ」
信長様が褥から一歩私に近づくと、頬にかかる髪を優しく耳にかける
「信長様?」