第13章 戦の駒
それから私は、誰とも会わず部屋に引きこもった。
鈴ちゃんは私のただならぬ様子と、戦のことを聞いたのだろう…
何も聞かず、そっとしてくれた
私はただぼんやりと…ここ数ヶ月で自分の身に起きたことを考えていた
なんで私はこんなところに飛ばされたんだろう…
こんなこと現実ではあり得ないことだ
私、夢でも見てるんだろうか?
夢だったらいいのに…
何度もそう思っては頬をつねる
でもやっぱり夢ではなくて…
信玄様のことを嫌いになれたら、どんなに楽だろう…
信玄様の側から逃げられたら、この想いに囚われなくてすむだろうか…
早く…早く、現代に帰りたい
この想いから逃げ出したい
初めて味わう恋につらさに自分の運命に…全て投げ出して逃げたくなる