• テキストサイズ

貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第13章 戦の駒


「…私を餌にするのなら……ここから逃げます」

「駄目だ」

信玄様を睨む私の腕を引くと、その勢いで信玄様の胸にぶつかる


「君には…分からないだろう……。大切な者たちが、目の前で散って行く姿を見たことがあるか?愛する者を失う悲しみが…君に分かるか…?」


信玄様の声から…悲しみの感情が伝わる


「戦に卑怯も何もないんだ。そこあるのは…守れるか守れないかだけだ。」


返す言葉はもう見つからない

……信玄様は…国を失い…大切な仲間たちも無くした……
平和な世界で生きてきた、私の思いなんて…ただの綺麗事なのかも……

「恨みたければ、好きなだけ恨め…。俺は…あいつに借りがある。それを全部返すまで、死ねないんだよ」


見上げた信玄様の瞳が、冷たく悲しく燃えている
甲斐の虎…獣の瞳だ…

その瞳に纏う、信玄様の殺気にゾクリとする


「……私を餌にしても…信長様は動きませんよ」

何度も言ってるが私は寵姫でもなんでもない
ただの拾われた猫みたいなものだ
/ 686ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp