第13章 戦の駒
数日後一
私は信玄様に呼ばれ部屋へ向かっていた
信玄様は人に会うとかで一人で出かけたり、忙ししいらしく
幸がお供も連れていかないことに腹を立てて文句を言っていた。
だから私もあの日以来、信玄様には会えていない
用事ってなんだろう…?
信玄様のことだから、またどこかに行こうとかかな?
ちょっとのドキドキと大きな期待を胸に、久しぶりに会う信玄様に心が浮き立っていた
「信玄様。いますか?乃々です」
「おう。入ってくれ」
襖を開けると、いつもと少し様子の違う信玄に胸が騒つく。
なんだろう…?
いつもと雰囲気が違う…
張り詰めた空気が私の肌を刺す
「…乃々。」
「…はい。」
信玄様の冷たい口調に、浮き足立っていた心は不安しかなくなっていた
「ーーーー君を戦の駒にする」