第12章 恋の病
「もう!!揶揄わないでください!!!とにかく!今まで傷の手当て、してくださりありがとうございました!匂い袋もありがとうございました!!
それだけです!失礼しました!」
早口で言い終えると、私は逃げるように信玄様の部屋をあとにした
もう…ちゃんとお礼したかったのに……
あれ…でも…信玄様の部屋にお饅頭なんてあった?何か食べてた感じしなかったけど?
……まいっか、鈴ちゃん待ってるから戻ろう
信玄様の反応を知りたがって、部屋で首を長くして待ってるであろう鈴ちゃんを想像して、私は足早に部屋へ向かった
ーーーーーーー
パタパタ…
部屋から遠のく乃々の足音
我慢仕切れず咳き込む
「……ぐぅ……っほ……ごほっ………」
はぁはぁ…
やばいな…
乃々にバレるところだった…
しかし、この感じだと残された時もそんな長くはねぇだろう…
乃々にうつつを抜かしてる場合じゃねぇが……
信玄はそう思いながら、今受けとった手拭いを握りしめ天を仰いだ