第1章 甲斐の虎
ーーーー翌日
私は政宗の馬に乗せられ戦に向かうことになった
「乃々様。どうぞお気をつけて。」
「政宗!信長様と乃々を頼むぞ」
三成くんのエンジェルスマイルと秀吉さんの心配そうな顔に見送られ、私は政宗馬に引き上げられた。
「だーいじょぶだって!俺がしっかり信長様も乃々も守ってやるからよ」
政宗が自分の前に乗せた私をギュッと抱き寄せる
「ちょっと!!近い!!!」
「じゃあお前落ちてもいいのか?」
あからさまに嫌な顔すると、私の顔を覗き込み意地悪く笑う政宗
「もっーーーーーーー!!!!」
近すぎるその顔をグィッと押しのけた
政宗ってあの町で会ったあの人と同じ匂いがする!!
ほんと軽いんだから!!!
「よし、戯れはここまでだ。本気で行くからしっかりつかまっとけよ!!」
そう言ったと同時に政宗は馬のおなかを蹴った!
途端に重力に引っ張られ、政宗の胸にしがみつく
「ハハッ!!その調子で俺にしがみついとけ!!」
政宗は笑って更に馬を加速させた