• テキストサイズ

貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第11章 城下の逢瀬




「……君は時々、驚くほど聡いことを言う。つらいと思ったことはない。どんな目に遭っても、俺を信じる奴らがいる限りな」


その言葉にはっとした

この人は私なんかが思ってる以上に、ものすごく強い人なんだ。だから、苦しいことや悲しいことを背負っても、それが当たり前だと笑っていられる

そのことに気づいた瞬間、自分が勝手に同情したことが申し訳なくなった。



「そんな風に心配してくれて、君が俺に惚れたんじゃないかと勘違いしそうだ」


その一言に私の心臓がドクンッと高鳴る


「…ま、まさか…変なこと言わないでください」

「はは。すまんすまん。」

笑う信玄様に、それ以上返す言葉は見つからなかった。

「さて…と。冷えてきたな…。そろそろ戻るか…」

そう言って手綱を握り、馬を歩き出させる。


初めて信玄様の本心に触れた気がした

私を支える信玄様の片腕が、行く時よりほんの少し強く感じたのは気のせいか……

/ 686ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp