第10章 嫉心
ーーー数日後
佐助くん、どこにいるかな?
私は佐助くんを探して、本を片手にお城の中を歩いていた
佐助くんに読めないところ教えてほしんだけどな。
部屋にもいないし…
もしかして…天井裏かな?
天井を見上げる
「おーい。佐助くーん」
天井に向かって呼んでみた
「乃々様?」
ビクッ!!
急に声を掛けられて、声の方を見ると
「与次さん」
宴の夜に助けた老臣吉江景資の息子、与次が不思議な顔して立っていた
「何をなさってるのですか?」
私が見上げていた天井を一緒に見上げる
「…さ、佐助くんを探してるんですけど。もしかして…天井裏にいるかな?と思って」
変なとこ見られちゃったな
怪しく思われたらどうしよう…
「左様でしたか。佐助殿は日々、忍として鍛錬に励んでおられますからね。
どこにおられるかわかりませんから…」
そう言うと
「佐助殿ーーー!おられたら、返事をーーーー!」
天井裏に向かって大きな声で呼びかけた
「よ、与次さん?!」
思わぬ行動に驚く私を気にもとめず呼び続ける