第5章 書庫での出来事
ヨロヨロと立ち上がり、書庫を出て部屋に向かう
男の人に免疫なさすぎて…
私にもっと余裕があれば、あんなのあしらえるんだろうけど…
……恋愛経験0の私には無理!
そんな事を考えてると信玄様と女の姿を思い出した
美しく艶めかしい大人の色香…
男を喜ばす術をどれくらい知っているのか…
信玄様もああゆう女の人が好きなんだろうな…
心の中がザワッとする
物思いにふけながら部屋に戻ると、部屋には鈴ちゃんが私を待っていた
「乃々様。どこへいらしてたんですか?」
「あ…書庫に本を取りに行ってたの。」
「じゃあ、謙信様のお許しがでたのですね!」
「うん…。佐助くんが来て、案内してもらったんだ」
「乃々様?どうかなされましたか?」
「え?あ、大丈夫大丈夫。ごめんね。なんか疲れちゃって。」
心配する鈴ちゃんに悟られないよう、ヘラっと笑って誤魔化す
「今夜は宴がありますが、大丈夫ですか?」
「宴…そっか。そうだったね。」
「そろそろ支度する時間ですので、参りましょうか?」
鈴ちゃんに楽しそうに言われるけど、やっぱり気が進まない
あんまり気乗りしないけど…
昨日、女中さんたちが一生懸命着物選んでくれたんだよね…
みんなでワイワイ着物を選んだ事を思い出す
なんだかモヤモヤする気分も、女中さんたちに会ったら少しは晴れるかな?
「うん。行こうか」
私は気をとりなおして、鈴ちゃんと支度部屋に向かった