第2章 その後
ちゃんと帰ってきて良かったと染々思うし、可愛い部下のためにも長生きしてもらわないと。
「お帰り」
「おーただいま」
「早く太らんとな」
「せやな。可愛いファットさんの方に戻らんと名も嫉妬してしまうし環も隣歩けんしな」
と笑う。
「そん姿の時、女の子達めっちゃよって来るもんな」
「おかげで環がひいてしまって気付いたら居なくなってん」
食器を片して、テーブルをふいて、
「切島君も素直で良さそうやん」
「熱くて良い子や。環に直談判しに行く心意気もえぇ。」
机と椅子のセッティングを整えて、床を履こうとしたところで
「はよ帰ろーやー。もう明日でえぇてー」
ととうとう駄々をこね出す太志郎。
「あとこれだけだから」
と返すと
「明日環達にさせればえぇてー」
と机につっぷす。
それは駄目だろう。と言うか、普段あまり使わない部屋なのだから余計に駄目だろうと内心ツッコミをいれつつ、掃き掃除を終えて太志郎の近くに行くとガバリと抱き締められ
「終わった?」
と聞かれる。
「終わったよ」
「ほな、行こうか」
すかさずチュッと口付けをされ、身支度を始める太志郎に少し赤くなる名。
「ほんまこの俺の時の事好きやなぁ自分」
とニヤニヤする太志郎。
「ゆーてもどっちも好き。そん姿はたまにしか見ぃへんからレア度もあって緊張する」
「緊張せんでもえぇやん」
「えー無理ー」
どちらかと言うと好きになったのは丸い時のファットの時。それが痩せて帰ってきた時はイケメンになっていて驚いたものだ。
「ほんまその差は詐欺やな」
「詐欺ちゃうし」
そう笑いあって太志郎の家に向かうが
「あれ?まさかやけど太志郎の部屋も掃除からになるん?」
「もうそーじはえぇから、はよ触らせてぇや」
「天下のヒーローが卑猥なワード使ってる・・・」
「せやったら今はヒーローはお休み!」
そうまた笑いあって、
部屋に着けば直ぐ様口付けされる。
それから二人でシャワーに入って、
ベッドに行って、
太志郎の普段は見られない割れた腹筋に触れ、
「名」
とせっぱつまった表情で見落とされる事に反応しては、
「好きや」
と少し低めの、聞きたくて仕方なかった声で名を呼ばれ目をつむる。