第20章 悲しい別れ
「こっちだよ」
トド子に導かれるまま進むおそ松たち。やがてまばゆいばかりの光がおそ松たちを包んだ。
「お父さん、お母さん。連れてきたよ」
そこには金と銀に輝く2体のドラゴンが鎮座していた。
「よくぞここまで来た。お前たちの願いは、トド子を通じて聞いた。我は以前、ジュエルアイ族の目を狙う者から皆を守るため、ジュエルアイ族が目を開くと相手を攻撃する力を持つよう願った。だがそれによって新たな悲しみが生まれてしまった。すまない」
「俺も最初は恨んださ。だがそのおかげでおそ松や、○○に巡り会えた。悪いことばかりじゃなかったぞ」
「我はお前たちのように、世界を平和にするよう願えばよかった」
「だから今俺たちが、それを願いに来たんだよ。んで、あんたらも自由になれるようにな」
「ありがとう、新たなる翼たちよ。お前たちの願い、しかと聞き入れた。全てが円満になり、新たなる翼の母がこの世界で無事で健やかに暮らせる世界に、レッドアイ族が元のジュエルアイに戻っても、安心して暮らせる世界にしてやろう!そして我らの呪縛を解放する!」
ゴールドドラゴンが翼を広げると、その光が世界の隅々まで行き渡り、カラ松の体を包み込んだ。
「カラ松、目を開いてみよ」
「…本当に大丈夫か?熱線は出ないのか?」
「そう願ったのであろう?願いは叶った」
「わ、わかった」
カラ松は空に顔を向けて、おそるおそる目を開こうとした。
「カラぴ」
「そうだったな。一番に○○の顔を見ると約束したな」
○○の方を向くカラ松。異変はすぐに訪れた。
「………輪郭が見えない…!」
「熱線を放つ能力が失われたのだ。輪郭が見えなくなるのは当然のこと」
少しずつ目を開いていく。すると目の前には亜麻色の髪とコバルトブルーの瞳の女性がいた。カラ松をうっとりした目で見ている。
「○○」
愛しい名前を呼ぶと、嬉しそうに抱きついてきた。そして両手でカラ松の顔を包む。
「何て美しい瞳なの…!まるで青い水晶みたい!」
「○○…!おお、マイディスティニー○○!!もっと顔を見せてくれ!」
「ああ……その目に吸い込まれそう…!」
「これが俺の愛しい○○の顔か…!」
「はじめまして、私の愛しいカラぴ」
「○○!」