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[おそ松さん]ストーグロックへ

第8章 レッドアイの宿命 闇エルフの黒魔法


「あわてて目を閉じたが、すでに遅かった。みんなは俺のせいじゃないと言う。だが、俺の放った熱線で両親が焼き尽くされたのは、変わりない事実だ。それ以来俺は、簡単に目を開くのが怖くなってしまったんだ」

「そんなに一瞬で焼き尽くすのか…」

「大きさにもよるが、俺たち程度の大きさなら、一瞬だな。…家族や友を失うのは、もうたくさんだ…」

手を取り合って涙を流すカラ松とケイトを見たおそ松は、目を開くだけで敵を倒す能力のある彼らを、少しでも便利だと思った自分を恥じた。

「ふん。自分だけが不幸かよ」

一松の呟きに、カラ松は異を唱える。

「そうとは言ってないさ。種族それぞれ、苦悩があるだろう」

「分かってんなら、いいけど。俺なんて黒魔法使うたび、自分の身に何かが起こる。まぁ、生け贄を使わないからなんだけどな。だからいつまで使えるか、わからない」

その言葉には、一松自身の命がいつまでもつかということが含まれている。

「黒魔法を使わなきゃいいって思ってるだろ?そうはいかないんだ。己の身を守るためには、仲間を守るためには使わなきゃならない」

「そうだよな…。俺たちだけじゃないんだよな」

「クソ松」

「えっ…。クソ松って……」

カラ松の胸ぐらを掴んで睨み付ける一松。

「クソ松だからクソ松だろうが、ぁあ?!」

「ひぃい!」

「てめぇ、男だろうが!嘆いても仕方ないことを、グダグダ言ってんじゃねぇよ!!」

「一松!!」

おそ松が一松の肩に手を置いた。

「そのくらいにしとけ」

「ちっ!!」

おそ松は、今度はカラ松の肩に手を置いた。

「なぁ、カラ松。お前も大変だったんだよな?俺も大変だよ?何せロック鳥と人間のハーフだかんね。不安なこと、わかんないことだらけなわけよ」 

「おそ松…。お前が一番大変なんだったな。悪かった」
                                   パンパンと手を叩くチョロ松。

「はいはい。その話はもう、おしまい。仲違いしてたって、仕方ないでしょ」

「そうだ!カラ松兄さん。僕の鍛練に付き合ってよ。この弓を使いこなせるようにならなきゃだから」

「もちろんだ、マイリルじゅうしまぁーつ」

「じゃあ早速、僕の上に乗ってよ」

「えっ?!いいのか?」

「いいから、早く」

カラ松は十四松の上に乗る。     

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