第1章 運命の歯車は廻り始める
「それと貴方…」
『っ…!!』
急にこちらに振り返り話しかけて来たので、思わず身体が硬直する。
いわば、全身ピーンって感じ。
「コイツに変な事されなかった?大丈夫?」
『ぇっ、だ、大丈夫です…。
と言うか貴方にはアレ見えてるんですか…?』
「ん?アレって、犬夜叉の事??」
そう言って彼女が地面に未だめり込んで呻き声を上げている彼を指差す。
それを見て私は頷く。
どうやらアレは、犬夜叉、と言う名前らしい。
犬…あれは犬耳だったのか、と1人納得。
『私、小さい頃からあぁいった類のものが視える体質で…もしかしたら貴方も私と同じなのかなって思ったんですけど…』
「あぁっ!そうゆう事!
んー、確かに犬夜叉は妖怪だからそうゆう類のモノなんだけれど…んーーー…なんて説明したらいいのかな…。
って、私普通に犬夜叉の事バラしてるしっ…いつもは誤魔化してるのにっ」
「けっ…か、かごめもババァみたく物忘れ早くなったんじゃねぇのか…」
「おすわり」
「うぎゃっ!!!」
あ…ま、また…更に地面に埋まった…。
とりあえず、合掌しておこう。
「とりあえずっ、もうバレちゃったし、貴方はなんか信用出来そうだから話すわっ!
私の家で説明するから一緒に…」
「あれ、ねーちゃん、犬のにーちゃん見つか…ぅわぁ…見たかったんだね」
「あ、草太」
また新たに人が増えた。
小学生くらいの男の子で、姉ちゃんって言ってるからこの子の弟さんかな。
弟さんは犬夜叉を見て引いた顔をしていた。
痛そうだもんね、分かる。
「ぐっ…草太…助け…やがれ」
「犬のにーちゃんごめん…僕でもねーちゃんに逆らえないんだ…」
…そんなにあの子怖いのか…私も気をつけなきゃ…。
そう意気込んだ。