第3章 近づく距離
「よかったなぁ?俺に手ぇ出されてなくて」
からかうように笑いながら、ユキくんは顔を覗き込んでくる。
さっきときめいたばかりの色気を帯びた瞳とぶつかって…。
こっちは妙に意識してしまっているものだから、恥ずかしさでどうにかなりそう!
「やだっユキくんチャラい!エッチっ!!」
近づいてきた体を思い切り突き放す。
「おいバカ!冗談だろーが!父ちゃんに聞こえるぞ!!」
「だって…!」
ユキくんとのこんな時間が楽しくて、とても愛しい。
好きとか、恋とか。
はっきりした感情は自分でもよくわからないけれど、今は曖昧でもいい。
だってやっぱり、ユキくんといると、すごく幸せだから。