第21章 好きなのに
あのあと、幸村と別れてから…
部屋に戻った私は幸村との思い出を振り替えっていた。
(いろいろあったな~、でも幸村が結構支えになってくれた。そう考えるととっくに前から好きだったのかも…)
(でもなんだろう、このもやもやした感じは)
(好きなのに、つらい)
(そうか、幸村とはどうせ離ればなれになってしまうからだ)
(あと、1ヶ月半後に私は現代に帰る。幸村に思いを伝えることはできないからか…)
(幸村と離れちゃうからか)
自然に涙がポロポロ出てきた。
(恋ってこんなに悲しかったっけ。私が経験してきた恋はこんなに悲しくなかったよ?もっと甘かったよ?こんなに…むなしくはなかった…よ…)
「弥生様、大丈夫ですか?」
華奈が優しく声をかけてきてくれた。
「あ、だいじょう…ぶ…です。こんなの…すぐ…止まりますから」
そういっても涙は止まらなくて
(私って泣き虫なのかな…?前もこんなに泣いた気がする)
(ああ、そうか。あのときは幸村がいてくれたのか)