第10章 手合わせ
道場に着くと、もう幸村が支度を終え、待っていた。
「ごめん、遅くなった。」
「おせぇーよ。」
「ごめんごめん、信玄様と話してたら遅くなっちゃった。」
一瞬、幸村の顔が曇ったように見えたがすぐに戻ると、
「わかった、取りあえず軽く練習してから、勝負な」
と言った。
「うん!負けないからね!」
「その言葉そのまま返す」
結果は…
負けた…。あと3点あれば勝てたのに…。
「結構強ぇーんじゃねーの、まぁ俺よりは弱いけどな!」
「どこが!ほぼ同点じゃん!」
「結果的に俺の勝ちだ。」
「うっ、それはそうだけど…」
(でも、悔しい~。)
「まぁ、また手合わせしてやってもいいぞ」
「…ほんと…?」
「おー」
「じゃあ、次は必ず勝つ!」
「やれるものならやってみろ!」
……