第33章 守る
(待ってろ!すぐにそこまで行く!)
俺は無我夢中になって馬を駆けていた。
(くそっ!あの時、喧嘩して別れていなければ…!)
あの時、喧嘩していなければさらわれなかったはずだ。
それ以前に夏祭りの時に俺が見つかったせいでもある。
馬で林を抜けるとすぐそこに小屋があった。そこには男が一人見張り役でいた。男は俺を見つけると
「おい!真田が来たぞ!」
と言った。すると中から十数人いや二十人ほど出てきた。
俺も馬から降り、小屋の方へ歩いて向かった。男達と真正面に向き合った。
「真田!よくも俺達の主人を処罰してくれたじゃねぇか!!」
「それはお前らの主人が罪を犯したからじゃねぇか!」
「よくもやってくれたな!」
(ダメだ。こいつら話を聞く気がねぇ。こうなったらやるしかないだろ!)
そこから斬り合いになるまで1秒もかからなかった。