第27章 夏祭り4
簪を買った後、屋台をグルグルまわっていた。
「幸村、そろそろ帰らなきゃだね…」
(もうそんな時間か…)
「おー、帰るか」
(ほんとは帰らせたくねぇけど…)
「うん…」
「大丈夫か?妙に暗くなってんじゃねーか」
「いや、いい思い出ができたなって」
(そんなに楽しかったならまた連れてきてやる!)
そう言おうとしたとき…
「現代に帰るまでにいい思い出が出来て良かった」
そうか…、そうだった、こいつは500年先に帰るんだった。なにひとりで浮かれてんだか…。こいつはいつか目の前から消えてしまうんだっけ…。
「おー、それなら…良かったな!」
「うん。」
そう言って俺たちは城に戻った。