第8章 はじめて
~~~··ふわっ
「ん?」
不意に匂った。太宰の匂い
「お客さん?」
「天音。私がお客さんの相手するから戻っていいよ」
「分かりました!ごゆっくり」
ぱたぱた。
「気の所為(せい)ではなさそうだが」
「·····」
「なんで嫁から太宰の匂いが強いんだ···?」
☆☆☆
(さっきのお客さん私を見て固まっていたな)
「あっ。」
さくっ
「···味付けは?」
(いつの間に来たんだろ)
「これはプレーン味ですよ。」
「マフィン作らないの?」
「そうですね。今日あたりお菓子の本見て決めますね」
すん··。
「中也の匂いがする」
「···ん?」
さくっ
「なんでもなーい」
「またつまみ食いしてる···それ食べたら太宰さんは袋詰めしてくださいね」
かちん
「えーー··」