第16章 すなお
太宰さんが生きる意味を知れたのは嬉しい
だけど、不器用で優しさを知らない子供の太宰さんも私は好きだった。
私の為にネコになって
「···ダーク··」
「天音?」
ぱっ
「すみません、太宰さんを見てるとダークを思い浮かびましてね。紅茶出来ました」
「···ダークに会いたい?」
「そうですね、屋敷にネコちゃんはいますし。時々ですがシグマさんや澁澤さんにフェージャもネコになってくれますが···やはりあの日初めて会ったダークに私は会いたいですね」
とくん。
(あったかい)
ふわふわして
ぽん
「にゃー···」
「ダーク。」
ひょい
ぎゅ····。
「あぁ、あったかいな···太宰さん」
ダークも太宰さんもひとりなんだ
(ダークの時もそうだけど···)
天音の抱き方は優しくて
シュウウウ···
「···好きだな。」