第12章 ちりん
あの深い海色で上目遣いされたら私は簡単に死ねるよ。
でもさ。まだ話してない事が沢山あるんだよ。
だから····
ふっ
「·····まだ、死にたくない」
ひょい
「起きたか」
「···織田作?」
ショリショリ
「あぁ。天音から電話が来てお前が倒れたと聞いてな」
ぽ――···。
「幸せな夢見た」
コトッ
「幸せな夢か。どんな夢だ」
ごろん
「聞きたい?聞きたい?」
ぱくっ
「そうだな。そんなに楽しそうな顔を見たのは3人で飲む時以来だな」
「好きな子の笑顔が···凄く、嬉しかったんだ」
ーーーー····
ふんふん~♪
(あの深い海色が私の汚い血を洗い流してくれてるん..)
「はい。ありがとうございます」
「天音さんも大変ですね」
(だよね)