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Dear…【BLEACH】

第5章 Calling You


 夢を見た。
 ここ最近何度も繰り返し見ているあの夢だ。

 漆黒に包まれたその世界で、俺は誰かの名を呼んでいた。

 無限に広がるその闇の中は
 どんなに走り回っても一筋の光すら射すことはない。

 どれだけ喉から声を絞りだそうとも
 求める人の声が返ることはない。

 どれだけ遠くへ手を伸ばそうと
 その手はただ空を切るのみ。

 なにもかもが失われた……虚無の世界。

 それでも。

 俺は呼んでいた。

 その人の名を、ただひたすらに。

 その名を口にすることだけが、この絶望的なまでに孤独な空間で自我を保つ、ただひとつの手段だった。


 愛する人の名を、呼ぶことだけが。


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