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兄は戦国武将〈イケメン戦国〉

第13章 俺のものになれ


今川の残党に拐われそうになってからはや半月
謙信さまに助けられ目覚めたその足で春日山城へと連れられてきた
ここは謙信さまからいただいた私の部屋
うっすらと瞳を開いてもぼやけた世界が映るだけ


「葉月、具合はどうだ?」


「漢方薬を煎じたけど飲める?」


ぼやけた視界に映り込んできた謙信と佐助
自分で思っていたよりも精神的苦痛を感じていたらしい
お城について間もなく高熱を出して寝込んでしまった
なにもせず大人しく寝ていよう
まあ、熱が高く動けないと言う方が正しいけれど


「目の焦点あってねえぞ
大丈夫かコイツ?」


「可哀想に、よし俺が添い寝をしてあげよう」


信玄は自然な動作で葉月が横になっている褥に近づいていく


「まてまてまてっ!」


慌てて信玄の肩をつかむ幸村


「信玄貴様斬られたいのか?」


素早く回り込み刀に手をかける謙信


「病人の部屋で暴れんなっ!」


「しっ!幸村静かに」


人差し指を口に当て注意を促す佐助の視線の先には
瞳を閉じた葉月の姿があった


「葉月が眠れないだろう静かにな幸」


「騒ぐなら出ていけ幸村」


「あんたらのせいだろうがっ!」


そんな言葉を聞きながら夢の中に旅立った


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