第9章 頑張る
女中たちは今日も張りきって着付けをし
満足そうに葉月を家康の部屋に送り出した
「おはよ葉月」
『おはよう家康』
朝の挨拶を交わし席に付くと
女中がいそいそと御膳を運んできた
『家康』
「なに?」
『お城には何時行くのですか?』
「何時とは言われてないから
ゆっくりでいい、それよりも言葉」
『あっ、申し訳あり・・・・・
ん~・・・ごめんね?』
「ん」
そのあともたどたどしい口調で
会話をし朝餉を食べ終わった
『時間が・・・え~と、あるなら
弓を見せて・・・いえ、見て見たいです』
「弓?」
『はい。庭に的がありました』
「別にいいけど、見るだけ?やってみる?」
『良いのですかっ!』
嬉しそうに家康に笑顔を向けると
片手で顔を隠してふいっとそっぽを向いた
「なにその顔・・・・・反則」
『どうかされましたか?』
「なんでもない。それより言葉」
『ごめんね?』
「あってるよ。なんで疑問系?」
クスクス二人で笑い庭へと歩いていった