第9章 頑張る
登城し仕事をしていると臣下の一人に
広間で軍議があると呼ばれた
「家康」
重い足取りで広間へと入っていくと
不機嫌な顔をした信長が声をかけてきた
「家康お前なにかしたのか?」
「・・・・なんですか信長様」
先には広間にいた秀吉が聞いてきたが
それには答えず信長に視線を向けた
「お市は何処だ」
「さあ、知りません」
しれっとシラを切りいつもの席に腰を掛けた
「家康様はお市様を保護されているのですか?」
「三成は口にするな、ややこしくなる」
「やるな~家康」
「はぁ・・・お市なんて女、俺は知りませんよ」
ヒュ~と口笛を吹きちゃかす政宗に
ため息を吐いてめんどくさそう答えた
「軍議の内容、それじゃないですよね」
「・・・秀吉」
「はっ!
お市様の捜索中に上杉謙信と
武田信玄を見たと言う報告が上がって来ました」
信長に名を呼ばれ秀吉は居住まいを正し話し始めた
「死んだと言われていた女嫌いで有名な軍神が
女の後を追っていたらしいってよ家康」
「・・・何で俺に言うんですか」
ニヤニヤと笑い家康を見る政宗
「ついでに補足しておくが
その女嫌いの軍神が追っていた女は
ここにいる
"誰か"の後殿に入っていったそうだぞ。家康」
「・・・・・だから何で俺に言うんですか」
光秀も楽しそうに笑みを浮かべ家康に視線を向けた
「へ~誰なんだろうな家康」
「・・・・・・・・しつこい」
嫌な笑みを向ける二人とは
一切視線を合わせずにそっぽを向いた
「家康」
「なんですか?」
「貴様の後殿にいる
その女を明日城に連れてこい」
"必ず連れてこい"と念を押され仕方なく家康は了承した