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兄は戦国武将〈イケメン戦国〉

第1章 姫君は退屈


男が走るたびにお腹に圧がかかり苦しくなる
暫くして明るくなり開けた場所に出た


『気持ち悪い・・・・』


「ああ、申し訳ありません。
もう暫く我慢して下さい」


そう言い男は再び走り出そうとしたが


「白昼堂々と人攫いか?」


急に知らない男の声が聞こえてきた


「娘を下ろせば悪いようにはしない」


「誰だか知らないが
俺の邪魔をしないで頂きたい」


チッと舌打ちをし苛立ちを露にした


「そうか・・・俺はちゃんと忠告はしたからな?」


キンッと言う音の直ぐあとに浮遊感を感じた
男の肩から放り出されたらしい


「おっと、大丈夫か?」


地面に落ちる寸前に受け止められ助け出された
そっと地面に下ろされ
後ろ手に縛られていた縄をほどいてくれた


『危ないところを助けていただき
誠にありがとうございました』


振り返り助けてくれた男性にペコリと頭を下げた


「いや、無事で良かったな」


男性に座り込んでいる私の頭を
ぽんぽんと優しく撫でられ
"童ではありません"とプイッとそっぽを向いた


「そいつを捕らえ役人に引き渡せ」


「はっ!」


いつの間にか他に数人の男性が現れ
私の目から隠すように護衛だった男を連れていった


「さて、あとはお前を送るだけだが・・・・・」


「姫ーーっ!!」


『お迎えが来たみたいです』


残りの駕籠担ぎ兼護衛と遅れて女中が
息を切らして走ってきた


「姫様っ!ご無事ですか!!」


「申し訳、ございません!
私が、私のせいでっ!」


声をつまらせ泣きながら私の手を握る女中


『私が勝手に一人で歩いたからいけないの
貴女のせいではないわ』


護衛の男たちは助けてくれた男性と話をし
私たちは舘へと帰っていった


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