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兄は戦国武将〈イケメン戦国〉

第2章 家出


信玄に促され佐助の横に並び歩く
その道中に謙信の城である春日山城で
佐助や信玄、幸村は居候をしていると聞いた


暫くして森を抜けた所に
馬が四頭繋がれていた
誰の馬に乗るかでごねる信玄に幸村が説教を始めた
私は手招きをしてくれた佐助くんの馬に乗せてもらった
馬に揺られて進み夜が明ける頃には小さな村に辿り着き
食料だけを補充しすぐにまた馬を走らせ始めた
馬で駆け数日後の真夜中に漸く目的地の春日山城に辿り着いた


「左側だ」


それだけを言うと謙信は
スタスタと歩き去っていって


『今のどういう意味ですか?』


「今のは姫の部屋の場所だよ」


「うん。おれの部屋の左側を使えって事」


佐助に促され廊下を歩いていく
案内されたのは文机がポツンと
一つだけ置かれている部屋にだった


「褥はここに入ってるから
あっ、女中をつけたほうがいいかな?」


『大丈夫。自分で一通りの事は出きるから』


「良かった。実は謙信様は女性嫌いで
この城には女中はいないんだ」


『そうなの?
私も女性だけど大丈夫?』


「葉月さんの場合
刀を向けられて怯えたりしなかったし
部屋も与えられたから大丈夫じゃないかな」


『それだけで?』


「謙信にしたらそれだけで十分なんだ。
姫は他の女と違うと判断したんだろう」


『・・・いらっしゃったんですか』


しっかりと部屋に入り文机に凭れて座る信玄を呆れ顔で見た


「せっかくだから姫とゆっくり語り合おうかと・・・・・」


「何やってんですかアンタはっ!!
さっさと自分の部屋に帰りやがれ」


ドカッと勢いよく幸村に部屋から蹴りだされ
引きずるように連れていかれた


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