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イケメン戦国 《短編集》

第18章 「今日も幸せな日々を」/徳川家康 《家康BD2020》


広間に着くと何故だか信長様達が集まっていてもう既に宴会状態だった。

「ようやく来たか」
「す、すみません!遅れました…」

上座に座り、
酒を煽っていた信長様に言われて、
舞は慌てて謝罪をしていた。

「なんだ同じ色合いの着物着て?」

政宗さんがすぐさま舞に寄ってきていじくり始めた。

「政宗さん近いです。
あと、ぺあるっくと言うそうですよ」
「ほぉ……」

相変わらずこの子は周りの武将に好かれている。
だがそこが、
この子の人懐っこさと優しさによるものであるということは分かってはいた。

それから宴はわんさかと続いた。
秀吉さん曰く俺の誕生日祝いのための宴らしい。
舞が信長様に誕生日にはこんなことをすると伝えたところ、
面白がった信長様が開いたらしい。
まったく信長様は相変わらずだ…。
そう思ったが、
こんな大勢の人に祝われるのは嬉しいものだなと思えた。
きっと、あの子がいるからだろうか……。

楽しそうにしているあの子を見ると、
俺も嬉しくなってしまう。
本当に…良い意味であの子に変えられたと思う。





宴が終わって、
今にも眠りそうな舞を御殿に連れて帰ってきた。

「家康、楽しかった…?」

と眠そうに目を細めながら急にそんなことを言ってきた。

「うん、楽しかったよ。アンタがいたからね」
「えへへ…良かった…。
誕生日おめでとう、家康」
「…ありがと。ほら、寝るよ。」

うん……と小さく返事しながら舞はすやすやと眠ってしまった。
先週からソワソワしていたのは、
今日のために贈り物を用意するためだったなんて…。
ホントにこの子はなんて嬉しいことをしてくれるんだろう。

今日のおかげで、
もっともっとアンタが好きになったよ……。
ううん“好き“じゃ足りない……
「愛してる」そう呟いて、
俺もまた腕の中にある温かさをギュッと抱き締めて目を閉じた。


【the end】
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